専業主婦のワンオペ育児は「当たり前」じゃない

専業主婦のワンオペ育児は「当たり前」じゃない 子育てコラム

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夜9時。やっと子どもが寝て、リビングに戻ると、夕食の食器がそのまま残っています。座った瞬間、体がずーんと重くなって、もう立ち上がれない。

そんなとき、ふと頭をよぎる声があります。「専業主婦なんだから、これくらい一人でやって当たり前でしょ」。夫に言われたことがあるかもしれません。親世代に言われたのかもしれません。でも一番つらいのは、自分の中からその声が聞こえてくるときではないでしょうか。「みんなやっているのに、しんどいと感じる私がおかしいのかな」と。

先に結論をお伝えします。あなたはおかしくありません。専業主婦のワンオペ育児は、当たり前でもありません。これはあなたを甘やかすための言葉ではなく、昔と今の環境の違いや、労働として見たときの条件を冷静に並べた結果です。この記事では、その理由を順番に確認したうえで、夫に伝わる話し合いの切り出し方まで具体的にお伝えします。

「専業主婦=育児は全部一人で」という前提はどこから来たのか

「家にいるんだから、家のことと子どものことは全部できるはず」。この考え方は、昔の家族のかたちが前提になっています。

ひと昔前は、近くに祖父母がいて、ご近所さんが子どもを見てくれて、兄弟姉妹も多くて、育児は「家の中の大人みんな」でやるものでした。専業主婦といっても、実際には何人もの手を借りながら子どもを育てていたのです。泣き止まない赤ちゃんを少しの間おばあちゃんに渡して、その間に夕食を作る。そんな光景が普通にありました。

今はどうでしょう。実家は遠方、近所付き合いはほとんどなく、日中に家にいる大人は自分ひとり。つまり、昔は数人がかりだった仕事を、今はたった一人で引き受けているのが現代の専業主婦のワンオペ育児です。「昔のお母さんはみんなやっていた」という言葉は、前提となる環境がまるで違うので、比較として成り立っていません。

あなたがしんどいのは、あなたの能力が低いからではなく、もともと一人分の仕事量ではないものを一人でやっているからです。

休憩なしの24時間勤務は、職業としては存在しない

子どもをおんぶしながら掃除をする母親

専業主婦の育児を「仕事」として見てみると、その特殊さがよくわかります。

会社員には休憩時間があります。勤務時間が終われば帰れますし、休日もあります。夜勤がある仕事でも、明けの休みが用意されています。労働には休みが必要だということが、社会のルールとして決まっているからです。

ところが、小さい子どもと家で過ごす育児には、休憩時間がありません。お昼を食べている間も子どもから目を離せず、夜中も泣き声で起こされ、土日も祝日もありません。トイレにすらゆっくり入れない日があります。もしこれを求人票に書いたら「休憩なし・休日なし・24時間対応」という、どんな職業にも存在しない条件になります。

「家にいるだけ」に見える時間の中身は、実際には休みのない連続勤務です。それを「当たり前」と呼ぶのは、どう考えても無理があります。疲れて当然ですし、限界を感じるのはあなたが弱いからではありません。むしろ、これだけの条件で毎日続けていること自体が、すでに十分すぎる頑張りです。

夫を責めずに現状を変える、対話の切り口3つ

ここで気をつけたいのは、夫を悪者にしないことです。多くの夫は、悪気があって任せきりにしているのではなく、ワンオペの中身が見えていないだけ、ということが少なくありません。外で働いている側には、家の中の「休憩のなさ」が想像しにくいのです。

だからこそ、責めるのではなく「見えるようにする」対話が効きます。切り口を3つ紹介します。

1つ目は、1日のタイムラインを書き出して見せることです。朝5時半の起床から夜の寝かしつけまで、何時に何をしているかを淡々と書くだけで十分です。感情を込めなくても、空白の時間がないこと自体が伝わります。

2つ目は、「手伝って」ではなく「担当を決めたい」と伝えることです。「手伝う」という言葉は、育児の責任者があなた一人であることが前提になってしまいます。「お風呂は任せたい」「日曜の朝は見ていてほしい」のように、役割として渡す言い方にすると、夫も動きやすくなります。

3つ目は、自分が一人になれる時間を「予定」として先にカレンダーに入れることです。空いたらもらう、ではなく、最初から確保する。夫の出張や飲み会が予定として扱われるのと同じように、あなたの休息も予定として扱っていいのです。

そのまま使える、話し合いの切り出し方の例文

切り口がわかっても、最初のひと言が一番むずかしいものです。疲れがたまっていると、つい「なんで何もしてくれないの」と責める形で口から出てしまい、夫が黙り込んで終わる。そんな経験がある方も多いと思います。

コツはひとつだけです。「事実」と「自分の気持ち」を分けて、その順番で伝えること。相手の性格や態度を評価する言葉(いつも、全然、普通は)を入れないことです。そのまま使える例文を3つ置いておきます。

例文1(しんどさを初めて言葉にするとき)
「最近、朝5時半から夜9時まで座る時間がない日が続いていて(事実)、正直けっこう限界に近いなと感じてる(気持ち)。責めたいんじゃなくて、一緒にやり方を考えたいんだ」

例文2(具体的な担当をお願いするとき)
「平日は夜中の授乳で、私は続けて眠れていなくて(事実)、日中ぼーっとしてしまうのが不安なの(気持ち)。土曜の朝だけ、子どもたちを見ていてもらえると助かる」

例文3(外部サービスの相談を切り出すとき)
「一時保育とか家事のサポートの料金を調べてみたんだけど(事実)、頼ったらだめかなって迷ってる(気持ち)。一度だけ試してみたいんだけど、どう思う?」

どの例文も、主語が「あなた(夫)」ではなく「私」になっているのがポイントです。「あなたは何もしない」ではなく「私はこういう状態で、こう感じている」。事実は否定のしようがないので、夫も防御せずに聞くことができます。一度で完璧に伝わらなくても大丈夫です。責めない伝え方は、回数を重ねるほど効いてきます。

対話してもすぐには変わらないとき、家の外に手を作るという選択肢

正直なところ、夫婦の対話は一度で劇的に変わるものではありません。夫の仕事がどうしても忙しい時期もありますし、変わるまでの間もワンオペの日々は続きます。

そんなときに考えてほしいのが、家の「外」に頼れる手を作ることです。自治体の一時保育やファミリーサポート、そして家事代行やシッターのようなサービスも選択肢に入ります。「人に頼るなんて苦手」と感じる方ほど、実は仕組みとして頼るほうが向いていることがあります。詳しくはこちらの記事に書きました。

関連記事: 「人に頼るのが苦手」なママこそ家事代行が向いている理由

たとえば、きらりライフサポートのように、同じ人が継続して家に来てくれて、家事と子どものお世話を1回の訪問で組み合わせられるサービスもあります。昔の「近くにいた頼れる大人」を、今の時代に合うかたちで取り戻すイメージです。どんなサービスなのか、口コミや料金はこちらの記事で詳しくまとめています。

関連記事: きらりライフサポートの口コミ・評判を徹底調査

なお、つらさが深く、眠れない日や涙が止まらない日が続いている場合は、一人で抱えずにかかりつけ医や自治体の相談窓口に相談してください。

今日できる小さな一歩は「当たり前」を一度疑ってみること

大きな行動は要りません。今日はまず、「専業主婦なんだから当たり前」という頭の中の声に、「本当にそうかな?」と一度だけ聞き返してみてください。

休憩のない24時間勤務は、どんな職業にも存在しません。あなたがやっているのは、当たり前のことではなく、本来なら何人もの手で分け合うはずのことです。それに気づくだけで、胸の奥が少しだけ、ふっと軽くなるはずです。夫への切り出しは、この記事の例文をひとつ、スマホにメモしておくところからで十分です。そこから先の一歩は、また明日で大丈夫です。

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