「子育て向いてない」と感じるママに伝えたいこと

「子育て向いてない」と感じるママに伝えたいこと 子育てコラム

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寝かしつけが終わった夜10時。薄暗い部屋で子どもの寝顔を見ながら、ふと涙が出てくる。今日も怒ってばかりだった。公園で楽しそうに子どもと遊んでいるママを見かけて、「私はあんなふうにできない」と落ち込んだ。SNSには手作りのお弁当や笑顔の親子写真が並んでいて、見るたびに胸がちくっと痛む。

「私、子育てに向いてないのかもしれない」。そう検索したのは、今夜が初めてではないかもしれません。誰にも言えないまま、その言葉だけが頭の中をぐるぐる回っている。

この記事では、その「向いてない」という感覚の正体を、一緒にほどいていきます。先に結論をお伝えすると、あなたは向いていないのではありません。向き不向きでは説明できないほど、今の環境と負荷が重すぎるのです。

「向いてない」と感じるのは、適性の問題ではなく負荷の問題

育児に悩む日本人女性

「向いている・向いていない」という言葉は、仕事や習い事ならしっくりきます。でも子育てに当てはめると、大事なことが見えなくなります。なぜなら、同じママでも、条件が変われば全く違う子育てになるからです。

想像してみてください。毎晩8時間眠れて、週に半日は自分の時間があって、困ったときにすぐ頼れる人がそばにいる。その状態のあなたなら、子どもにどんなふうに接しているでしょうか。おそらく今より、ずっと穏やかなはずです。

つまり、今のあなたの子育てがうまくいかないように感じるのは、「あなたの適性」のテスト結果ではなく、「睡眠不足で、自分の時間がなくて、頼れる人がいない環境」のテスト結果なのです。重い荷物を背負ったまま走らされて、タイムが遅いことを「走るのに向いてない」とは言いません。それと同じです。

そもそも、子育ては本来一人でやるものではありませんでした。少し前の時代まで、子どもは祖父母や近所の人たち、たくさんの大人の手の中で育つものでした。今のように母親一人がほぼすべてを担う形は、人類の歴史から見ればかなり特殊です。その特殊な形に苦しさを感じるのは、むしろ自然な感覚だといえます。

「向いてない」と感じやすい3つのタイミングを知っておく

実は、「向いてない」という気持ちは、一日中ずっと感じているわけではありません。たいてい、決まったタイミングでやってきます。自分がどんな瞬間にその気持ちに飲み込まれやすいかを知っておくと、「また来たな」と少し距離を取れるようになります。

他のママと比べてしまった時

公園で穏やかに子どもと遊ぶママ。お迎えのとき笑顔で子どもを抱きしめるママ。そういう姿を見た帰り道に、「私はあんなふうにできない」とずーんと落ち込む。これはとても多いパターンです。

でも、あなたが見ているのは、そのママの一日のうちの数分間だけです。家では怒鳴った日があるかもしれませんし、昨夜泣いていたかもしれません。逆に、あなたが昨日コンビニで子どもと手をつないで歩いていた姿だって、誰かから見れば「余裕のある素敵なママ」に見えていた可能性があります。お互いに、相手の一番いい瞬間だけを見て、自分の一番苦しい瞬間と比べているのです。比べた瞬間に気づいたら、「私は今、相手の数分と自分の24時間を比べている」と思い出してみてください。

子どもに怒ってしまった後

大きな声で怒ってしまった直後や、子どもの寝顔を見た夜。「向いてない」という言葉が一番強く襲ってくるのは、この瞬間かもしれません。

ここで知っておいてほしいのは、怒ってしまうことと、母親としての適性は別物だということです。怒りは、寝不足と余裕のなさから出てくる反応であって、愛情の不足ではありません。そして、「いつも笑顔のママ」が子どもにとって本当に必要かというと、そうとも限りません。子どもにとって大切なのは、完璧なお母さんではなく、ほどほどに元気なお母さんです。怒ってしまった日があっても、あとで「さっきは怒りすぎたね、ごめんね」と言えるなら、子どもは「失敗しても関係は修復できる」ということを学びます。それは完璧さよりも、ずっと価値のある贈り物です。

SNSで他の家庭を見た時

夜、布団の中で開いたSNSに、彩りのきれいな手作りごはんや、笑顔の親子写真が流れてくる。疲れ果てた夜ほど、その投稿はまぶしく見えて、胸がちくっと痛みます。

SNSの投稿は、一日の中で一番きれいな数秒を切り取って、明るく加工した姿です。泣き叫ぶ夕方も、散らかった床も、投稿には写りません。つまりあなたは、編集済みのハイライト集と、自分の編集なしの現実を比べていることになります。これは勝てない比較です。対策はシンプルで、疲れている夜はSNSの子育てアカウントを開かないこと。比較の材料が目に入らなくなるだけで、すっと気持ちが軽くなることがあります。

「私の弱さが原因なのでは」とまだ感じている方は、しんどさの構造を掘り下げたこちらの記事も読んでみてください。

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「向いてない」気持ちを軽くするためにできること

向き不向きではなく環境と負荷の問題なら、やるべきことは「もっと頑張って向いている母親になること」ではありません。負荷を下げて、環境を変えることです。

まず、「やらないことリスト」を作ってみてください。やることリストの逆です。「平日は手作りおやつを作らない」「部屋のおもちゃは寝る前に1回だけ片付ける」「SNSの子育てアカウントは夜は見ない」。書き出して目につく場所に貼っておくと、「やらない」と決めたことを思い出しやすくなります。

次に、自分を採点する基準を変えてみることです。「今日できなかったこと」ではなく、「今日子どもが無事に眠れたこと」を一日の合格ラインにする。ごはんを食べさせて、お風呂に入れて、寝かせた。それだけで、その日の子育ては成立しています。

そして、しんどさを言葉にして誰かに出すこと。夫でも、友人でも、自治体の子育て支援センターでも構いません。「向いてないかも」という気持ちは、頭の中に閉じ込めておくほど大きく育ちます。口に出した瞬間に、少し小さくなるものです。なお、気分の落ち込みが何週間も続く、眠れない、涙が止まらないといった状態があるときは、かかりつけ医や自治体の相談窓口に早めに相談してください。

環境を変える手段として「家事を手放す」選択肢がある

ここまで読んで、「理屈はわかるけど、現実にやることは減らない」と感じたかもしれません。その通りです。考え方を変えるだけでは、物理的な負荷は減りません。

だからこそ、環境そのものを変える手段として、家事代行のような外部の手を借りる選択肢があります。週に1回、誰かが作り置きや掃除をしてくれるだけで、その分の時間と「やらなきゃ」という心の重さが手元に戻ってきます。負荷が下がれば、子どもに向き合う余裕は生まれやすくなります。それは「向いている母親」に近づくことではなく、本来のあなたに戻ることです。

「うちにはそんな贅沢は無理」と感じた方にこそ、読んでほしい記事があります。実際に金額と時間を計算してみると、印象が変わるかもしれません。

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「向いてない」と悩めること自体が、向き合っている証拠

最後に、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。「子育てに向いてないかも」と悩むのは、子育てにちゃんと向き合っている人だけです。どうでもいいと思っている人は、向き不向きで悩んだりしません。あなたが今夜流した涙は、子どもを大切に思っている証拠そのものです。

あなたに必要なのは、母親としての才能ではなく、休める時間と頼れる先です。今日はもう、頑張るのをやめて眠ってください。そして明日、ひとつだけでいいので、「やらないこと」を決めてみませんか。あなたなら、最初に何を手放しますか。

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